投稿先の選定
JREC-INの公募戦線で戦うこと3年、
来年度から、晴れて別のパーマネントな研究ポジションへの転出が決まりました。
長かった…
選考委員の話では、他の応募者と比べて、論文数が評価されたとのことです。
大学院4年間と、修了後1.5年の応募時の業績内訳は国際誌14報(うちFA9報、合計IF約40)です。お察しの通り、これまでの論文は、あまり深みのないもので、新規性があればとりあえず投稿してみたものです。ネイチャーやサイエンス、PNASなどの学術誌に掲載されたことはなく、インパクトファクターでいえば、全て1以上5以下といった学術誌になります。
自覚していますが、私は、いわゆる、数稼ぎの、品の無い研究者です。
もちろん、綿密に練られた論文を、良い雑誌に投稿したいというのが本音です。ただし、職が得られなければ研究を続けることもできませんので〝論文数を稼ぐ戦術〟を採ってきたわけです。良く言えば、地に足のついた論文を地道に出していった結果ですが、逆に言えば、定職につくための条件を整えるかわりに、謎を解き明かそうとする夢と信念を捨たわけです。
果たして、この戦術が良かったのかどうかは、実際にポジションについて、インパクトの高い継続性のある研究をいかに組み立てられるかにあると思いますが、やっとスタート地点に立ったというところでしょうか。
さて、ようやく本題に入っていきますが、
このようなスタイルの生活を過ごしていると、インパクトはないけれど新規性のあるデータを見つけると、アーカイブ化したくなってきます。かといって、論文投稿作業で本業をおろそかにはできないので、なるべく早く、掲載までもっていきたいわけです。
慣れた信頼のあるインパクトファクター付きの学術誌に投稿するのが一番かと思いますが、投稿先を探すのにはなかなか苦戦します。そのような状況で、アブストラクトを入力すると、投稿先を自動的に選定してくれるサイトが役立つことがありあます。
(1)Elsevier Journal Finder
http://journalfinder.elsevier.com/
エルゼビア系列の雑誌内で適合雑誌を検索
(2)Jane, Journal Author Name Estimater
http://biosemantics.org/jane/
実際には、投稿先選定には様々なバイアスがかかるので、上記サイトで検索された雑誌が適合するとは限りませんが、お試しにはいいかと思います。
次いで、投稿先として選定されるのが、査読付きのオープンアクセスジャーナルになります。基本的に総合誌が多いので、前述の投稿先選定サイトではリストに出てこないことが多いです。
オープンアクセスジャーナルでは、投稿者が出版社にお金(10万以上)を払って、論文を掲載してもらう学術誌になります。カラー写真やページ数が多くても、基本的に料金が変わらない点や、ネット環境さえ整っていれば、誰でも読むことができる点は、従来の購読料支払型の雑誌より優れています。
有名なPLoS Oneや、SpringerPlus、Scientific Reportsなどの大手のオープンアクセス雑誌では、しっかりとした査読が行われますが、一部の雑誌は、でたらめな内容でも掲載し、投稿者からお金を搾取する雑誌Predatory Open Access Journalであるといわれています。論文を世に出したい科学者と、お金を必要としている出版社の利害関係が一致しているので、無くならない問題かと思います。
論文投稿料が掲載されていないオープンアクセス雑誌は問答無用に避けたほうがいいかと思いますが、出て間もない雑誌では判別がつきません。
そのような場合は、コロラド大学デンバー校のBeall氏が判断した、投稿料を搾取しているPredatory Open Access Journals のリストが参考になります。
Scholary Open Access
Beall's List ''Potential, possible, or probable predatory scholarly open access publishers''
http://scholarlyoa.com/publishers/
そもそも、聞いたことも無い歴史の浅い雑誌は避けたほうがいいのかもしれませんね
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